夏ゴーヤ、フェンスにすがって、横に伸び。
毎日家のまわりを歩いている。
さすがに雨のひどい日は歩けない。
家の裏手のフェンス添いにゴーヤを
植えた。
計画して植えたのじゃあない。
***
家人のおしゃべり仲間のAさん。
一人暮らしで近所に住んでいる。
(一人暮らしと書けばプライバシーの
侵害のなるかもしれん)
ある日、Aさんが来て。
「ゴーヤの苗を買って来たよ、あんたの
ところの裏のフェンス添いに植えようと
思ってね」
「いや」も「おう」もなかった。
手には苗を3個持っていた。
家人「おや、そうかい、ならば苗の代金を
払うよ、いくら?」
Aさん「いらないよ、作らせてもらうと
言っちゃあなんだが、一緒に作ろうよ」
出来て収穫したゴーヤは半分分け。
家人「あんたそれで良いですか」
苗を持ってきて、そこまで言われちゃあ
ことわるにも、ことわれん。
もし断ったら、肝っ玉の小さいやつだと
評判になるかもしれん。
私「おう、それでいいとも」
威勢よく言った。
***
裏のフェンス添いのその場所は
昔、緑のカーテンが流行った。
そのときに、岡ワカメと言う野菜と
園芸植物の中間ぐらいのものを植えた。
この地域では、岡ワカメは珍しかった。
軒先づたいに屋根まで育って立派な
緑のカーテンが出来上がった。
しかも、野菜として食べられて
家人も喜んだ。
それから年を取って世話が出来なくなった。
その場所をきれいにしてゴーヤを植えた。
ゴーヤの花。
ゴーヤの赤ちゃん。
毎日外回りを歩くたびに水やりをした。
ゴーヤは元気に育ち収穫もあった。
まだまだ、収穫できそうだ。
ゴーヤは暑さに強い。
***
毎日ゴーヤを見ているといろいろな事が
頭に浮かぶ。
ゴーヤについてのなぜなのさ。
1、ゴーヤの実の凸凹は。
けものが食べにくい。
表面張力で、乾燥に強い。
2、ゴーヤの実が苦いのは。
けものや鳥たちにまだ食べられないと
シグナルを出している。
3、ゴーヤの実が6節離れてなるのは。
原産地が熱帯でスコールは少雨だから。
4、ゴーヤの実が熟れて黄色くなるのは。
そろそろ食べ時になりますのシグナル。
けものや鳥たちに予告をしている。
5、ゴーヤも実が熟れてタネが赤いのは。
どうぞ食べてください。
どうぞ遠くに運んでください。
ゴーヤの赤いタネ。
***
昔、自然のゴーヤは赤いタネを鳥や
けだものにたべられて、糞になって
運ばれた。
今、人はゴーヤを若くて苦いうちに
野菜として食べている。
その苦みを美味しいと言って食べている。
苦いところを旨いという人間がわからん。
しかし、野菜として流通し全国的に
食べられる。
ありがたいことだ。
これで安定して命をつなげる。
***
私「おい、夕食はゴーヤを輪切りにして
天ぷらで食べないか、ビールが旨いと思うぞ」
家人「いいですね、あんたもビールをひとくち
飲んでみませんか」
では、またあした。
ポチッとをいただくと
ゴーヤも喜びます。