薬は減らせるだろうか。
一般的には病気がなおれば薬は不用になる。
しかし、何か少しでも不調をうったえると
薬が増える。
待っていましたと言わんばかりだ。
この間も、気分が少しイライラすると言ったら
即、薬をふやしましょうと言われた。
その薬はホルモン剤と言うものであまり
増やしたくないものだから断った。
先生は、少し気分を害したようだ。
「薬に寄り添って生きている」
***
もちろん健康になりたい。
もとの元気になりたいと思う。
その反対にあんたはこれまでと言われても
ああ、そうですかこれでお終いですかと
言える。
しかし、もう少し生きながらえて、この社会の
大きく変わって行く様を見ていたい。
その劇場の入場料は、毎年払っている。
介護保険料である。
少ない年金から天引きされている。
泣いてもわめいても悲しんでもお上には
従っている。
裕福な年金ではないでも満足している。
いやそのふりをしている。
***
ワシの病は不治の病である。
なおす方法がない病である。
国の特定疾患のリストに項目がある。
だから、この病気を薬で進行を遅らせている。
先生方の努力で、進行を止めていると
言っても良いだろう。
現状維持が出来ていることはありがたいことだ。
だが、80才の年寄りでも欲がある。
心のなかでもうちょいと良くならんかねと思う。
***
私「おい、錠剤を半分に切る道具はないかねえ」
家人「半分に切る道具なんて聞いたことがないよ」
私「それをさらに半分に切る」
家人「半分の半分なら4分の1でしょう」
私「そうだ4分の1だ、あんたは分数が上手い」
家人「なんですか、薬を4分の1づつ減らすのですか」
私「そうだ、4分の1だとごくわずかだろう」
家人「ええ、ほんの少しですね」
私「ワシの体はもしかしたらだまされるかもしれない」
家人「ほんの少し減っても体調は変わらない」
私「そう思ってくれる可能性はある」
ほんの少し米粒ほど減らす。
体は何か少し変だけど、気のせいかと思う。
これをしばらく続けながら様子を見る。
で、気づかれたら元に戻す。
***
家人「なるほどね、体が気づかないほど
少しの薬を減らすのね」
私「良い考えだと思うが」
これでほんの少しずつ元気になれたらうれしい。
では、またあした。
ポチッとをいただくと
喜びます。