散歩の時、誰に話そうか。
家人「あんたも私も81才、無理がきかんのよ」
私「わかっとるわい」
家人「わかっとる人がどうして肩が痛くなるの」
右肩から右首の筋が痛い。
触ると飛び上がるほど痛い。
いつもの寝違えた痛さの数倍。
家人「メダカの水槽掃除や庭木の枝の剪定を
続けたからだよ」
私「まあな、その時はさほど疲れているとは
思っていなかった、少し汗ばんで気持ちが
よかった」
家人「年寄りは疲れがじわじわっと来て
その時には感じらんのよ、2,3日してから
痛くなる」
私「いっぺんに痛くなった、ワシは若いのか」
家人「程知らずで無謀なだけです、年寄りの
冷や水でしょう」
私「2,3日あとに痛くなるのは知っていたが
こんなに痛くなるとはねえ」
家人「無理がきかない体になったんです」
***
どうして痛むようになったのか、この話を
朝から何度もくりかえした。
頭で考えて原因がわかるはずもなのに。
もしかしたら、年寄りになってこれを
楽しんでいるのか。
話しがくどくなると言うのはそんなもの
だろうか。
若くて元気は時は、病気になっても
「アッ病気か」ぐらいで治る。
年寄りは、本格的な病気になるまでの
工程があるのでは。
体のどこそこが調子が悪いとか、痛みが
出てきたとか、そんなものが無数に
内在しているのが老人だろう。
なおらなくて、病気になって、病院通いに
なって薬が食事代わりになる。
それで日本が栄える。
ありがたいことだ。
***
私「なあおい、湿布を張ってくれ」
家人「はいはい」
私「湿布で足りないところは、塗り薬だ」
家人「はいはい」
私「今日は休む、何もせんよ」
家人「はいはい、息だけはして下さい」
私「どうせタン出しがあるから、息はするわい」
家人「病院には行きませんか」
私「どうせ、レントゲンを撮ってあとは、湿布と
痛み止めの薬をくれるだけだろうよ」
家人「そうですね、明日もひどかったら
病院に行きましょうね」
私「わかっとる」
***
それにしても肩のコリに、こんなに
痛いものがあるとはね。
本当に無理がきかんようになった。
このさき、体の故障がだんだんと
多くなってくる。
明日の散歩のとき、誰かにこの話を
しようと思った。
では、またあす。