あの人は、素晴らしいね。
あの人と言うのは、Hさんのことである。
脳梗塞で入院した。
幸いと軽かったので、リハビリ病院に移り
歩行練習やその他の機能向上のトレーニングを
受けた。
それも終わって、家に帰った。
毎朝、スキーのストックのような杖を両手に
持って歩いている。
いきおいが良い。
リズムがある。
姿勢もまっ直ぐ。
***
今朝、新聞を取りに外に出た。
Hさんに会った。
朝の散歩だ。
私「おや、両手の杖は無しかえ」
Hさん「ああ、あのストックは卒業したよ」
通院日のリハビリの先生は
もうストックなしで歩きましょうと
言ったそうだ。
私「良かったね」
Hさん「しかし、ストックがないと不安だよ」
私「すぐに慣れるよ」
Hさん「あんたも良かったね、スーパーで
姿を見たとうちのが言ってた」
私「ああ、何とか行けるようになった
買い物帰りの荷物運びだよ」
Hさん「負けないように、荷物を運べるように
なりたいものだよ。
足の方は、ずいぶんと良くなったが腕の方が
思うように動かん。
体がどこか悪いと不便だねえ」
私「そこまで良くなったんだ、腕のほうも
良くなるさ」
そんな話をして別れた。
***
家人「Hさんと何を話したの」
私「すばらしいひとだよ、努力のたわものだね」
家人「あんたも、毎日歩いているだろう
もっと良くなるよ」
私「ストックを買おうか、もっと歩ける
ようになるかも」
家人「あんたは、肺の方が悲鳴をあげるよ」
まわりの人が、特老やケアハウスに行って
顔を見なくなる。
そうじゃあなくて、Hさんみたいに元気に
復活してもらいたいものだ。
このまわりが、もっと寂しくなるのは
ごめんこうむりたいね。
では、またあした。
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