「せっかち症候群」と「うたぐり症候群」
おはようございます。
久留米のじじいであります。
歩行器を押して、えっちらおっちらと
スーパーまで行っておるよ。
家人の買い物のお供だ。
いや、運搬役だ。
家人は、病院の先生から出来るだけ
歩きなさいと、言われておる。
***
もう1週間になろうか。
家人の自転車は、車道と歩道の段差に
乗り上げて、自転車もろとも倒れた。
買い物の品をあたり一面にぶちまけた。
恥ずかしくて、汗が出たよ。
拾い集めるにも、苦労した。
そこに、中学生3人が自転車を止めて
荷物集めに手伝ってくれた。
家人「ありがとう、助かったよ」
中学生は「お婆ちゃん、大丈夫ですか」と
言ったが「お婆ちゃん」は余計だと言ってる。
なんだかおかしい。
80才の女性が、自転車もろとも転んで
品を集めている姿は中学生から見たら絶対に
「お婆ちゃん」が転んだとしか目にうつらない。
しかし、これは思っても言わない。
ワシは、平和主義者だからね。
私「おい、体は大丈夫だったかね」
家人「腕が、手をついたほうの腕が少し痛い」
私「サロンパスを貼ろうか」
応急処置については、これしか思いつかん。
結局、なんとかと言う湿布を貼った。
「相撲取り膏薬とかサロンパス」は
もう通用しない。
時代は進んでる。
***
翌日、家人は病院に行った。
レントゲンを撮って、異状なし。
ひどく痛むときは、この鎮痛剤を飲め。
家人「先生は、自転車は止めて歩きなさい」
そう言った。
家人は、忠実に実行した。
ところが、歩いて買い物に行くと困った。
買った荷物が多くて、運びきれない。
私「少し買えば良いじゃん」
家人「そうは行きませんよ、まとめて
買わないと無駄になります」
ワシは「冷蔵庫の中で、悪くならなければ」と言う
前提条件が必要と思うのだが。
平和主義者だから、だんまりだ。
***
そんなことがあって、ワシが歩行器で
ショッピングバックを運ぶことにした。
ところが、家人はワシのゆっくり歩きには
付き合いきれんと言う。
老人性の、「せっかち症候群」なのだろう。
だから、先に帰ってもらうことにしている。
どうせ、帰りの途中で知り合いに会うと
立ち止まって、長い話になる。
マスクをしたままで良く話せるな。
ワシなら、くたびれてしまう。
ウサギと亀の話しじゃあないが、ワシが
その立ち話を追い越してしまう。
本当ならば、家人が先に帰っていて勝手口の
錠前を開けて置いてくれれば、ずいぶん
楽なのだが。
***
勝手口の錠を開けて、荷物を台所に置いて
歩行器を物置にしまうと、家人は必ず
帰って来る。
やつはきっと、おしゃべりをしながら、
ワシが通り抜けてからの時間を計っている。
荷物は台所に収まったか、歩行器は
物置にいれられたか。
頭の中のストッポッチをそこでオフにする。
やおら、ていねいにおしゃべり相手に
おいとまを告げる。
それから、我が家に向いて歩く。
と、ここまで考えるとね。
ワシも80才になって、老人性の
「うたがい症候群」になったのだろうか。
では、また明日。
アッと言う間に3月。
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