老老夫婦の暮らしは、面白いに決まっちょる。

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酒粕は、いらんね。

おはようございます。

久留米のじじいであります。

 

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引き受けた酒粕、30キログラム。

 

近所のNさんから電話があった。

酒粕は、いらんね」だった。

 

 

酒粕は毎年、奈良漬けを作る材料である。

 

 

今年の奈良漬けは、早々になくなってしまった。

昔の若い時代の、半分ほどの量を作っている。

 

 

そのせいもあって、子供たち、友人、ご近所さんに

配って、後の残りももうわずかになってしまった。

私は、食べることを手伝うだけ。

 

 

今は、体が言うことを聞いてくれない。

作業の手伝いは、足手まといになりかねない。

家人は、見ているだけで手伝いだよと言う。

 

 

***

酒粕は、筑後川沿いにある酒蔵から

直接買っていた。

 

 

その酒蔵の主は、老人で「後を継ぐもんがおらん」と

こぼしていた。

 

 

今年の春に酒蔵は、お終いになった。

とうとう、跡継ぎが出来なかったようだ。

 

 

今、まわりの商売をしているところが次々に

お終いになる。

そのほとんどが、跡継ぎ不在である。

 

 

子供が居ても、食べて行けないほどの商いは

嫌われる。

将来性がない。

 

 

どこの話しもそのようなことだ。

 

 

***

酒粕の持ち主であるNさんは、家人と同様

毎年、奈良漬けを作り続けていた。

しかし、最近腰を痛めた。

 

 

そんな事で、隼人ウリもいただいて家人が

初めて漬けた。

もうすぐ、1カ月になり樽をあけるという。

 

 

ここから、カレンダーが見える。

12月10日に、赤のマジックで「隼人ウリ」と

書いてある。

もうすぐ、試食が出来る。

 

 

どんな味になっているか、私も楽しみである。

 

 

***

わかっとる。

Nさんの酒粕の話しだろう。

 

 

横にそれた話が面白くて、ついつい

書いてしまう。

これも、年を取つたせいだろう。

 

 

Nさん「とうとう、年貢の納め時になった」

重たいものが持てなくなった。

痛さが腰に響く。

 

 

家人「隼人ウリの漬物も終わりで今度は

酒粕もいらないかねえ」

 

 

話しをよく聞くと、腰の病気は決して

軽いものではなさそう。

場合によっては、手術と言われたそうだ。

 

 

手遅れかもしれんが、安静にしている。

 

 

もう、83才だよ。

今まで健康でどうもなかったことに

感謝せんといかんね。

 

 

家人「ところで酒粕は、どれくらいあるの」

Nさん「30キロあるよ」

家人「丁度良い、引き受けるよ、来年はこれで

奈良漬けを作るよ」

 

 

Nさん「隼人ウリはどうだった」

家人「まだ、あけていない、あと2,3日だよ」

Nさん「楽しみだねえ」

 

 

商売の跡継ぎではないが、年を取って今まで

出来ていた仕事が出来なくなる。

これは、生きがいが1つずつ少なって来ている。

 

 

家人「来年は、どんなになっても

奈良漬けを作るよ。

私「ああ、それが生きがいになれば良いよ」

 

 

では、また明日。

 

 

 

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