思い違いは、孫まで残るか。
お待たせしました。
良く読むブログに、ワシと同じ思い違いを
したことが書いてあった。
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スポンジの食器洗いで片面に繊維の荒い
ものを張り付けたもので、色は焦げ茶色
その下のほうは黄色いスポンジ。
台所の流しで皿の上に乗っていた。
カステラと間違えた。
うん、そうだそうだとうなずいた。
ワシもまったくその通りで、手に取って
食べようかと思ったくらいだ。
私「あんときゃあ、本当にカステラだと
思った」
家人「あんたはつまみ食いの名人だから
天罰が降りたんだ」
で、この話は一瞬のうちに息子と娘に
伝わった。
あっという間もないくらいだ。
すぐに息子から電話が入って来た。
用件は聞かずともわかっている。
息子「親父よ、意地汚いことはするなよ」
私「わかったよ、しかし高級なカステラか
羊羹を食べたいね」
そう言うと電話はプツンと切れた。
口うるさくて冷たい奴だ。
***
思い違いをするのはワシだけじゃあない。
家人の母親と同居したことがある。
まあ、いろいろな事があってしばらくの間
一緒に暮らした。
ある日。
義母「高級なお菓子をもらったから
あんたが食べてちょうだい」
そういって水屋の中から四角の
ケーキの箱を取り出した。
手に取った。
香りはする。
少しい違和感があった。
箱を開けてみた。
中味は丸みを帯びた四角でセロハンに
包んであった。
それを破いた。
硬い、乳白色。
化粧石鹸だった。
私「ばあちゃんこれ食えねえ」
義母「アラっ石鹸だね」
私「うん、石鹸」
顔をあわせて2人で笑った。
あのころ義母は何才だったろうか。
もう今は、俺たちもそんな間違いをする
年になったんだと、つくづく思う。
***
家人「なに、ニヤニヤしてるのさ」
私「いやなに、思い違いをしたことさ」
家人「あのカステラのことかえ」
私「それもあるが、義母さんの
高級ケーキの話しだ」
家人「母さんからきいてるよ」
私「話は両方とも子供たちも知って
いるよな」
家人「たぶんね、忘れていなけりゃあね」
息子も娘も忘れていて、孫には伝わって
いないことを願った。
末代の恥になるから。
では、またあした。
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