あの柿の大木がなくなるのかあ。
遊ぼといっても、逃げてしまうんだもん。
あの柿の木を切り倒すことにしたよ。
もう、実がなっても誰も採らないし
食べもしない。
孫が小さかった頃は、柿をちぎるのが
大好きでね喜んだもんだ。
誰も採らないから実が熟して落ちる。
カラスの野郎も豊富にありすぎて
ソッポを向いて近寄らない。
落ちたも実が腐って匂いがひどい。
ただねえ、寒くなって残った実には
毎年メジロが来るけどね。
メジロにはスマンと思うがね、切り倒す
ことにした。
陰になっていた野菜の育ちは良くなる。
***
こう言っちゃあなんだが、昔はその柿を
もらって良く食べたものだ。
あの当時は、パンやお菓子が少なかった。
柿が結構美味しかった。
いつごろからかはわからんが、近所から
いただく柿を食べんようになった。
ついには近所から柿は来なくなった。
それでもずーっと続いたのは渋柿での
干し柿作り。
その干し柿作りも止めた。
お互いに年を取って脚立の上に上がることを
娘からストップがかかった。
娘「落ちて骨折しても面倒をみきらんからね」
干し柿はお日様に当てて干さないと
良いのが出来ん。
お天気次第だ。
だから、風通しが良くて日当たりの良い
南向きの軒先に吊るすことになっとる。
昔からどの家もそうした。
しかし年寄りにはなりたくないものだ。
脚立に上がらんと干し柿は出来ん。
私「電気工事のパケット車を
借りられんかねえ」
家人「干し柿を干すのにですか」
***
家人「あの柿の木はね」
私「なんだね」
家人「Aさんから聞いたんだけど」
息子夫婦が帰って来るらしい。
いんきょ部屋を作らしい。
私「ありがたいことだなあ」
家人「でもわかりませんよ嫁さん次第
だからね」
Aさんも家人もまだ嫁さんに会った
こともないし、話したこともない。
私「あまりうわさをせんほうが良い
嫁さんが来にくくなる」
家人「そうですね、そうしましょう」
と言うもののおしゃべりは命だから
どうなるかわからん。
では、またあした。
ポチッとをいただくと
あの柿の木も喜びます。