何かが違った、入院2週間。
おはようございます。
久留米のじじいであります。
この病で、4回目の入院だった。
今までと、何かが違っていた。
家人「何が、違っていたのさ」
私「はっきりしないが、何かが違っていたのは
確かなんだよ」
家人「じれったいなあ、先生の治療の方法とか
かねえ」
私「コロナのせい」
家人「あんたの病は、コロナではなかったよ
先生がそう言ったよ」
私「コロナの感染が発生しないように病院の
全体が緊張していた、と言うか」
家人「そんなにかねえ」
私「病院のムードがさ」
***
昼間の病室が非常に明るい。
入院当初は、意識がはっきりしないために
気がつかなかった。
しかし、気分が少し良くなったころに
「せん妄について」説明があった。
体調が悪い、手術後、薬剤の影響などで
体液のバランスが崩れたことをきっかけに
脳の機能がうまく働かなくなる。
一見すると認知症に見える。
入院生活で、夜と昼の区別がなくなる。
日中、体を動かさない。
運動しないので体がもたつき、転倒する。
これらを防止するために、昼間の照明が
いつもより明るい、まるで眠ったら駄目と
言われているようだった。
結局、夜と昼を取り違えない対策であった。
退院後、居間の照明が暗いなあ、と思った。
2週間、病院関係の人だけで、他には誰にも
会わなかったが、ボケなかった。
家人「がんばった、あんたは偉い」と言った。
***
面会禁止、コロナ対策。
面会なしの2週間。
下着の着替えは差し入れで、看護師さんが
中継をした。
「奥さんからのプレゼント」そう言って
届けてくれた。
「何か奥さんに伝えますか」と言う。
80才のこの年では、何も言う言葉が
浮かんでこない。
結局「ありがとう」と言ってください。
それだけだった。
差し入れは、3回あった。
家人は中継する看護師さんと、少し
おしゃべりをしたみたい。
お二人は80才で「おねどし」ですね。
80才に見えないですよ。
うちの両親はもっと若いのに、お二人より
老けて見えます。
看護師さんは、そう言った。
女性は、いつでも若く見られると嬉しい。
家人はそう言う。
今回、孤立状態でそう言われたことが
妙に嬉しかった。
「うむ、俺は若く見られたんだ」
***
生き返った。
始めの7日間は、抗生剤と栄養剤の点滴が
連続した。
食事は、お預け。
喉は乾く。
市販のお茶600ミリリットルを
毎日1本飲んだ。
血液のデーターが良くなってきた。
抗生剤が効いてきたようだ。
8日目に栄養の点滴が終わった。
数粒のご飯が入った重湯の食事。
翌日の朝、トイレに行きたくて目が覚めた。
ベッドで体を起こす。
おや、力が入った。
ベッドを降りて立ち上がる時もふらつかない。
体に力が充足された。
回復してきている。
体にそんな感じがした。
重湯を口にして胃袋に入れただけで
こんなにも違う。
初めての感覚だった。
抗生剤と栄養剤の点滴は、体を
活かしているだけ。
命は、口からの食べ物で生まれる。
そんな感じだった。
***
これで、退院できる。
そう思った。
では、また明日。
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甘露の味がします。