障子の張替、ワシがやってみようか。
おはようございます。
久留米のじじいであります。
家人「障子の張替は、畳屋さんが
してくれるそうだよ」
私「ほう、畳屋がやるのか」
家人「多角経営というやつだねえ
近所の人が頼んだそうだ」
私「で、仕上がりは」
家人「バッチリだって、1枚
1500円だってさ」
私「高いか安いかわからん」
家人「シルバー人材センターも
やってくれるがね」
昨年は、娘が来てしてくれた。
が、今年は忙しいから勘弁してくれと
言ってる。
家人「うちも畳屋さんに頼もうか」
***
私「ちょい待ち、ものは相談だけどな
ワシがやって見ようか」
家人「無理だよ、その体じゃね」
私「今からボチボチ始めても、暮れまで
1カ月以上ある」
まあ、1枚張り替えるのに
1日かかるとしても
6枚で6日。
2日に1枚でも、2週間で終わる。
私「試しに1枚だけやって見る」
午前中に、古い紙を掃除する。
昼から張替だ。
家人「今日、今からですか、気が早いね」
私「年寄りだから気が短い、待ちきれん」
家人「障子は軽いから下敷きにはならんね
無理だと思ったら、止めて下さい」
***
6畳の広さに、障子が2枚と2枚ある。
真ん中にベットを置いている。
外した障子を広げられない。
他の部屋まで運ぶのは、面倒。
この部屋で、壁に立てかけて作業を
することにした。
障子の下半分は、穴だらけである。
モコの奴が、楽しみながら破った。
何度かその部分を張り替えたが
新しくなるとかえってそこに興味を持つ。
そこをめがけて破る。
いたちごっこになった。
ついには、こちらが音を上げた。
降参した。
モコも大人になって、興味を無くした。
もう、障子破りは卒業した。
そう願っている。
***
この部屋は、家人が毎日掃除をしているが
障子の桟には、意外とホコリが溜まっている。
古い障子紙を取り除きながら、拭いた。
家人「上から順に、やらないとホコリが
残ります」
私「どなたか知りませんが、ご指摘を
ありがとうございます」
通り抜ける背中に返事した。
昔は、はたきと言う掃除道具があった。
使い古した布を1センチ幅に細長く切り
20本ほど棒の先にくくり付けていた。
これで、障子の桟を軽く払うように叩く。
力を入れすぎると障子の紙が破れる。
軽やかな音が出るように、パタパタと
ホコリを払って行く。
これが終わって、今度は座敷箒で掃除した。
畳を掃除する時は、シャッ、シャッと
軽やかな音がした。
朝の支度。
味噌汁を作る。
まな板の上の野菜を刻む音。
雨戸を開ける音。
井戸水を汲むポンプの音。
スズメのおしゃべり。
テレビがなかった頃は静かだった。
遠くの汽車の汽笛。
アイスキャンディ売りの鈴の音。
昼、12時のサイレン。
自転車で回って来る紙芝居は拍子木の音。
そう言う音の世界で育った。
***
障子の古い紙の掃除は終わった。
思いのほかはかどって、障子の掃除は
2枚終わった。
私「去年の障子紙が残っていたなあ」
家人「納戸に1巻あります」
私「昼から障子紙を張って見るよ」
家人「一人で大丈夫ですか」
私「モコに破らないように言ってくれ」
夕方には終わった。
モコも、家人の言うことを聞いたみたいで
姿を見せなかった。
では、また明日。
ポチッとをいただくと
障子の張替が進みます。