2匹のサナギ、こんなところに。
おはようございます。
久留米のじじいであります。
鉄棒でサナギになった。
手作りミラーの裏でサナギになった。
気温が40度を超した。
昔では、考えられないことだ。
人間は強い。
***
サナギを見つけたのは家人。
家人「あんた、来てよ、珍しいものがある」
家の外から呼び声がした。
わが家とお隣の間に生ごみを
集める場所がある。
家人は、この場所の守り人。
自分に与えられた仕事だと言ってる。
朝早くカラスが来る。
カラスは賢い。
ゴミの袋を外からながめて、食べられるものが
入っているかどうか判断している。
食べられるものを見つけると、袋を食い破り
中味を引きずり出す。
周辺にゴミが散らばる。
カラスは仲間を呼ぶ。
みんなで散らかす。
家人は戦う。
不用になった防虫ネットをゴミの袋に
被せる。
それでもカラスは裾の方から入ろうとする。
裾をレンガで押さえる。
緊迫した戦いだ。
ついに今回はカラスの負けで立ち去る。
家人「可哀そうだが、生ゴミが散らばると
臭いまでひどいからねえ」
ゴミ収集の人は、防虫ネットをきれいに
たたんでレンガで抑えてくれている。
偶然会った時は「ありがとうございます」の
言葉をいただく。
それは私じゃあないよ。
家人だよ。
胸のなかでつぶやく。
***
朝、その場所からお呼びがかかった。
お隣との間の塀に付いている鉄棒を指さした。
家人「ここにサナギがあるがねえ
色がおかしい」
なるほど、茶色のサナギだ。
鉄棒の錆びた色に似ている。
私「きっと保護色だよ、まわりに色を
合わせたんだろう」
家人「ここにもあるよ」
見ると、手作りのミラーの裏にあった。
ここも茶色のサナギ。
不思議なものである。
ザボンの木から7メートルは離れている。
ザボンの枝から降りて駐車場を横切って
塀を登って。
合わせると10メートル以上になる。
私「よくぞここまできたもんだ」
家人「ここが安全と思ったん
でしょうかねえ」
私「学校が夏休みで良かった」
この通りは通学路である。
子供は目ざとい。
夏休みでなかったらきっと見つけている。
どんないたずらをされるかわからない。
家人「毎日、見ているからね、ここで
孵化して美しい蝶になるんだよ」
サナギは、大きい。
もしかして、待望の黒アゲハかもしれない。
孵化する時が、楽しみである。
では、また明日。
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