ミカンの木のオーナー。
1本だけ、季節外れの日本ガーベラ。
家人「もうミカンも美味しいと思ってさ」
スーパーから買って来た。
早速食べてみた。
先日、今年の初ミカンを食べた。
まだ、少し酸っぱかった。
今日のはどうだろう。
口に入れた。
私「うん、うまい」
家人「美味しいですね」
***
家人「ねえ、あんた、あのミカン園は
どんなになったかねえ」
私「あの時のミカン園のことか」
家人「ええ、ミカンの木のオーナーに
なったでしょう」
私「あのミカンはとびっきりの
美味しさだった、有機栽培で
アミノ酸の肥料だと言ってた」
家人「農薬はほとんど使わない」
私「亭主は無口で、奥さんの通訳が
必要だったな」
***
病気になる2,3年前、おしゃべり仲間の
Kさんからミカンの木1本まるごとの
オーナーにならないかと、話があった。
家人「ねえ、あんた、どうしょうか」
私「どれくらいのミカンが採れるか
食べきらんほどか」
家人「話じゃあ、4,5回行ってバケツに
2,3杯づつ持って帰ったそうです」
息子のところに送る。
家人のおしゃべりの仲間に配る。
ワシの畑の仲間に配る。
娘は友達とミカン園に行く。
親せきに配る。
まあ、あまって困ることにはならんようだ。
私「あんたがオーナーになれば」
家人「私がですか」
私「女性同士のつながりだ」
***
しばらくして、ミカン園の奥さんから
電話があった。
遊びがてらミカンの木を見て下さい。
気に入ったらオーナーになってください。
渡りに船ですっ飛んで行った。
ミカン園は、熊本と福岡の県境にある
小岱山(しょうたい山)の麓にあった。
小高い岡の南斜面で日当たりが良い。
見渡すと有明海が見える。
はるか向こうに雲仙の山がみえた。
素晴らしい景色だった。
ここに弁当を持って来よう。
お茶と漬物を出しますとお奥さんは言う。
もう、契約が終わったような会話だった。
***
秋になり電話があった。
収穫時期のお知らせだった。
育ちは順調で台風が来なければ豊作です。
日曜日は混雑します。
なるべくなら、平日が静かです。
***
下のほうの熟れたものを収穫した。
収穫は行くたびに上になる。
一番黄色いものを食べた。
うまい。
美味しいです。
甘さの中に酸味がほんの少し残る。
力強い味がする。
もっと寒くなると甘みが強くなります。
そんな説明だった。
***
バケツ1杯分をここから息子の
ところに送った。
手間が省けて便利だった。
近所に配った。
娘は会社に持って行った。
次は、娘が会社の友達とミカン園に行く。
娘「決めて来たよ」
私「良いけどな、すこしは残しておけよ」
娘「わからん、残っていれば良しだ」
その後、私たちが2回。
娘が1回。
取りに行ってお終いになった。
***
ミカンの木のてっぺんの5個は残した。
「鳥たちのごちそう」になった。
その翌年、申し込んだが抽選に漏れた。
その後も抽選もれ。
とうとうあきらめた。
家人「あのミカンの木は元気ですかねえ」
私「誰かがオーナになって旨いと
言ってるだろうな」
では、またあした。
ポチッとをいただくと
ミカンが美味しいです。