黄色いハンカチ。
おはようございます。
久留米のじじいであります。
少し前の話しだが。
そのコーラスのグループは男性の
歌い手がいない。
そこだけではなくて、コーラスのどこでも
男性が少ないか、まったくいないかの
ようだった。
「あなた、入りなさいよ、モテモテになるよ」と
よく声がかかった。
家人は、オンチではないがあまりききたくない。
そう言っている程度だ。
だから、お断りした。
当然のことだろう。
ワシが入って、味噌が腐敗したと言われたら
当然、コーラス全体の連帯責任になる。
リーダも頭を抱えるに違いない。
***
人はある時期になると、鳥みたいに
さえずり出す。
これは、本能と言うべきだろう。
ワシも家人も、最近は昭和ナツメロは
良いなあと話している。
昭和ナツメロだけではない、演歌もだ。
そんな話をしながら、新聞のテレビ番組欄に
ピンクのマーカーで線を引いている。
もちろん、懐メロの歌番組だ。
ところが、忘れてしまって番組が
終わった後に思い出している。
残念である。
娘「カラオケを出来るマイクを探してこようか」
しかし老老二人共に、歌うまでの熱意はない。
私「あのな、昭和ナツメロの入った古いCDで良い」
娘「そんなもん、捨てられてしまうからなあ」
まあ、そんなことで、相変わらず新聞の歌番組に
ピンクの線を引いては、忘れていた。
***
ある朝、線を引くピンクのマーカーを見た。
この、マーカーが悪い。
ピンク色が悪い。
縁起が悪いのだ。
だから、忘れる。
原因は、このマーカーだ。
私「おーい、どこかに黄色のマーカーは
入っておらんかねえ」
黄色は、幸せの色だ。
黄色のハンカチと言うドラマがあった。
高倉健さんが出ていた。
ジョンウェインの西部劇には、黄色の
スカーフを首に巻いていた。
しかし、あの頃の映画は白黒だったろう。
スカーフは黄色ではない。
たしかあのころ、黄色いリボンと言う
歌があった。
これと、記憶が入れ替わったのだろうか。
80才ともなると、記憶の引き出しが
良く入れ違う。
まあ、いずれにしても黄色は幸せの色だ。
家人「黄色のマーカーはありませんね、ですが
コンビニに売ってるよ」
***
コンビニより少し手前の横断歩道を渡ろうと
歩行器にもたれて、車が途切れるのを待った。
横断歩道の手前で、車が止まった。
にこやかに笑って、手を振っている。
渡りなさいだ。
頭を下げて渡った。
はて、誰だったか。
どこかで会った顔だ。
あんなに、にこやかな女性は誰だ。
思い出さん。
***
コンビニに黄色のマーカーはあった。
レジに行った。
カウンターにマーカーを置いて
目の前を見た。
あの、にこやかな女性が笑顔で立っていた。
透明のビニール越しにありがとうと言った。
「いいえ、どういたしまして」と返事が来た。
この人は、きっと黄色いハンカチが
似合うね。
黄色いマーカーは手に入った。
これで、昭和ナツメロが聴ける。
黄色のハンカチが、お似合いの
女性にも会えた。
今日は良い日になりそう。
では、また明日。
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