老老夫婦の暮らしは、面白いに決まっちょる。

暮らしのこと,花や庭木,感じたこと,雑文ブログ。

無駄な望みを、持つんじゃあないよ。

おはようございます。

久留米のじじいであります。

 

 

メジロヒヨドリのためのミカン食堂。

家人と私の食べるみかん。

暮れから今日までに、合わせて

20個以上になった。

 

 

貪欲で一番食べるのは、ヒヨドリ

その次に食べるのは家人。

メジロとワシは上品だから、ほんの少し

食べる。

 

 

このミカンのタネも、タネまきをしたいと

思っとるが、タネがなかなか見つからない。

 

 

家人に良くたずねる。

私「あんたの食べているミカン、タネは

入ってないかい」

 

 

何度もたずねた。

最近は、その返事もしんらつになった。

家人「無駄なのぞみを持つんじゃあないよ」

 

 

***

おそらく、近くのスーパーは、ミカン産地の

山川のものを仕入れていると思う。

そこのみかん山は、すべてのミカンの木が

タネなしになったのだろうか。

 

 

そこのミカンの何割かは、タネが存在

しても良い。

そんな気がする。

 

 

それでも、タネなしばっかりになるのは

集荷され出荷前に検査をして、タネありは

除いている。

 

 

家人「どうやって見分けるのかい」

私「ワシの胸のレントゲンと

おんなじだろうよ」

家人「そんなレントゲンがあるだろうか」

 

 

私「わからん、しかし世の中は進んでいる

タネが写っていても不思議ではないよ」

家人「あんたが、タネを誤嚥しても写るかねえ」

私「おいおい、俺じゃあない、ミカンの話しだよ」

 

 

***

ミカンの木まるごと1本のオーナーになった。

家人「あんた10年ほど前にミカンの木の

オーナーになったよね、あれは美味しかったねえ」

 

 

ここより車で1時間ほど南に荒尾市がある。

福岡県と熊本県の境目で、小岱山の麓の

ミカン園がオーナーを募集した。

 

 

ドライブがてらに、収穫に行ける。

ミカン狩りに何度か行った想いをすれば

そんなに高いものではない。

 

 

私「有機栽培で、農薬も最小限と言った」

家人「あの時は楽しかった、美味しいミカン

だったし」

 

 

私「食べ頃に熟したものだけ収穫してゆく

バケツに1、2杯、なくなればまた出かけた」

 

 

 

***

ミカン園の親父は一番熟したものだけ収穫

すれば、一番美味しいのは当たり前だが

それじゃあ商売にならん。

 

 

悪くなるのも早い。

組合に出荷するものは、少し早どりをする。

 

 

本当にうまいものは、あんたのように

オーナーになってもらいたいよ。

 

 

一番美味しいものを、自分でとって帰る。

この方法しかないよ。

 

 

理解してもらうが、オーナーになって

もらうのは難しいなあ。

これでは、利益はほとんど出ない。

 

 

喜ぶ顔を見たいだけだよ。

正月前に収穫は終わった。

 

 

その時は、一番上にある実を2,3個残した。

それは、鳥たちのもの。

鳥たちの糞も肥料になる。

 

 

家人は、5個残した。

それでオーナーは終わった。

 

 

帰りには、手作りの立派なしめ縄を

もらった。

 

 

***

春先の、ミカンの花が咲くころに

電話をした。

また、あのミカンが食べたくて

オーナーになる。

 

 

電話には奥さんが出た。

主人は3月に亡くなった。

ミカン園は、委託している。

生産だけで、オーナー制は出来ない。

 

 

お弔いをのべて、電話を切った。

何か大きな宝が消えて行った。

 

 

あの美味しかったミカンの味は

二人ともまだ覚えている。

 

 

では、また明日。

 

 

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