散髪、俺の頭は遊び道具か。
おはようございます。
久留米のじじいであります。
残念ながらと言うか、これでよかったと
言うか床屋さんに行けない身になった。
床屋さんと言うのは随分古めかしいと
言われそうだ。
理髪店だ。
ここに行けなくなった。
車を手放し、免許を返した。
往復の交通のこともあるが、散髪中に予告なしに
セキが出るこの時にタン出しをしないと苦しい。
であるから安心して散髪店のおやじさんか若い
マスターに身をゆだねられない。
***
娘「バリカンで髪を切ったらどう、私が出来るよ」
私「おう、それは良いなあ、助かるよ」
娘「バリカンを買おうね」
子供のころ、床屋さんは手動のバリカンだった。
切れなかった時は、無残な苦しみだった。
髪をひっぱる。
痛い、すごく痛い。
だが、声は出さない。
弱虫と言われるのはイヤだから。
随分と我慢した。
娘「親父は古い、今どきそんなバリカンはない
電動、電動だよ」
娘が手ごろなものを探して注文した。
もちろん、ネットだ。
最近、この近くに大手のネット販売の
集配場が出来た。
即日とはゆかないが、ほとんどの品物が
翌日には配達されてくる。
便利な世の中になった。
私「俺の葬式も、翌日配達なのかねえ」
家人「馬鹿言ってんじゃあないよ、あんたは
友の会に入っているからね、即日だよ」
***
宅急便でバリカンが届いた。
段ボールの箱が大きい。
手のひらの大きさのバリカンが真ん中に
固定されている。
あとは、箱いっぱいにクッション材が
入っている。
私「段ボールの箱を小さくすれば、
クッション材はほとんどいらないがねえ」
娘「あんたは古い、段ボールの箱は種類を
統一して数を少なくする、その方が合理的で
手がかからない」
ゆえに、経済的だそうだ。
ああ、そんなものであったか。
時代は、変わるんだ。
そう言う古い頭の髪をこれで切るんだ。
それが、最適。
古い頭の風通しが良くなって、少しは良くなる。
***
娘「親父、両手があるから、前の部分は
自分で刈りな」
鏡を見ながら、そっと下の方から上に当てた。
うん、切れて行く。
切れ味は良い。
音も軽やかだ。
髪の引っかかりもない。
鏡の中の頭は、前横が短くなった。
娘「後ろと上は、私がやる」
器用に後ろの下から上に刈り上げて行く。
手馴れたものだ。
耳の横は、ハサミを使ってきれいに整えた。
鏡で見えない一部を残してあった。
娘「ここは母さんがやるんだよ、恐ろしいことは
ないからね」
家人「私がかい、大丈夫かねえ」
そう言いながら、刈り始めた。
切れ味良好で、スムーズに出来た。
家人「面白いねえ、他に残っているところは
ないかい」
娘「残念でした、又のお楽しみだよ」
なんだか親子で面白がっている。
私「おいおい、俺の頭は遊び道具か」
その後は、むすめの手伝いはいらなかった。
家人「孫たちが、近くに居れば私が髪切りを
やってあげるのに」と言っている。
では、また明日。
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