孫が来て、包丁を研いでくれた。
おはようございます。
久留米のじじいであります。
娘のところの孫は、今年、高校生になる。
反抗期で、ほとんど返事もしないと
娘は嘆いていた。
***
あさ、食事の後新聞を読んでいると
誰かが来たようだ。
家人が玄関に行った。
家人「あんた1人で来たの」
家人は、上がりなさいよと言いながら
居間に来て、佐賀の孫がきたよと言う。
家人は少し、落ち着きがない。
ソワソワしている。
孫「母さんが、おばあちゃんの所の包丁が
切れない、じいちゃんが弱くなって
研げなくなったと言った」
家人「それで、来たの」
孫「うん、包丁を研ぎに来たよ」
その話をきいて、明日、自分が行って
包丁を研いでこよう。
勝手に決めたそうだ。
私「うん、頼もしくなった、自分で決めて
行動する、それがうれしい」
家人「砥石はどこだい」
私「ほら、勝手口の横だ、あと洗面器と雑巾だよ」
家人「わかっているよ、くどいね」
そう言いながら、孫を連れて井戸端に行き
準備をしている。
家人は孫が可愛い、目に入れても痛くないとは
このことだろう。
私も孫が可愛いが、出しゃばると家人の怒りを
買うことになる。
男は、黙って静観する。
***
刃物を研ぐかあ・・・・
そうだ、あの肥後守と言う折りたたみの小刀だ。
道具箱の中で見たような気がする。
子供のころ、このナイフで遊び道具を作った。
無くてはならない必需品だった。
竹とんぼ。
押しでっぽう。
小鳥を呼ぶ笛。
竹ひごをを作り、これでいろいろ作った。
小鳥を飼うかご。
凧。
模型飛行機。
川釣りの延べ竿。
このナイフがないと遊べないぐらい。
勉強は出来ないが、鉛筆を研ぐのは上手い。
先生から褒められた。
たまに、女の子から鉛筆研ぎをたのまれた。
もちろん、ことわらない。
その子は、宿題をやってくれた。
***
そのナイフを研ぐ事も覚えた。
「研ぐ」と言う動作は、砥石の上に刃をのせて
押す時に力を入れ、引くときには力を抜く。
これを、何度も繰り返す。
100回、200回。
無心になれる。
研ぎ上がったその時は、そっと親指の腹に
刃をたてる。
切れる時は、ゾリゾリと感触が鋭い。
切れない時は、この感触が鈍い。
鋭くなるまで、研ぎ続ける。
良しになったら、古新聞を垂直に持ち
刃を当ててゆっくりと引く。
2つに切れて行けばOK。
育ててくれた祖母の包丁を研いでいた。
***
孫は、私の背丈を越した。
たくましくなった。
人が困っている、それを手伝うことが出来る。
そう言う大人の入り口に、立ったようだ。
肥後守の小刀を持たせるかどうかは
父と母に相談しよう。
では、また明日。
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