捕まらないと、良いがねえ。
おはようございます。
久留米のじじいであります。
カランゴエ、白い花だけ秋から咲き続けています。
家人「捕まらないと、良いがねえ」
私「なんだ、そりゃあ」
町にあるスーパーに買い物の
行きがけにそう言う。
この地域には、他に買い物が
出来るような店はない。
当然のことで、町中の人がこのスーパーで
買い物をする。
多少若くて、自家用車がある人は、バイパスに
ある数軒の、スーパーで買い物をする。
残った人は、ほとんど老人である。
毎日の買い物だから、顔ぶれも同じ。
圧倒的に多いのは、一人暮らしの老人。
女性。
おばあちゃんと呼ばれる人たちだ。
***
そのスーパーは、夕方5時を合図に
2~3割の安売りが始まる。
店の魂胆は、考えなくてもわかる。
残り物を出さないように。
家人に言わせると。
5時以降に買い物をする人は
決まっている、何を買うかも決まっている。
本当は、割引とは言えないんだよ。
割引にして、それに見合う品質にして
数も買う人見合いにして、決めている。
だから、閉店間際には、全部空っぽに
なっている。
見事に、ソロバンが合っている。
固定客という訳さ。
まあ、規模の小さい店だから。
地域に一つの店だから。
そして、顔ぶれも同じだから。
固定の品、固定の客となるね。
おそらく、儲けも一定だねえ。
季節の変動は、多少あると思うがね。
見事な、解説である。
ワシは黙って、うんうんとうなずいた。
私「ところでなあ、捕まらないとは
穏やかではないね、万引きでもするのか」
家人「いやなに、顔ぶれが決まっているだろう」
一人暮らしが多い。
家でおしゃべりの相手がいない。
だから話したくて、ウズウズしている人だね。
それも、誰と誰で店に来る時間もだいたい
決まっている。
この、誰かに捕まったらお終い。
お話の相手をしないと、失礼に当たる。
お話の内容も、これまた毎回おなじ。
もう、何回も聞いている。
空で言えるぐらいだよ。
***
家人「やれやれ、だよ」
私「今日は、買い物を止めたらいいよ」
家人「それがね、もう3日もそうしたので
冷蔵庫は空っぽなんだよ」
私「じゃあ、バイバスの店まで
タクシーで行けば」
家人「馬鹿言ってんじゃあないよ~」
節をつけて歌いながら、家を出た。
私「捕まるんじゃあないよ」
背中に向けて、声かけた。
おしゃべりの誰かに、捕まらないように
祈った。
そうしないと、そのおしゃべりの内容を
今度は、ワシがきくはめになる。
これも多分、何度も聞いた話だ。
それで、夕飯が遅くなるよね。
では、また明日。
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