「水もしたたるいいダイコン」とおくさんが言った
ダイコンの歴史は、約2000年前から、初めはオオネと呼ばれていたが
「大根」と漢字が用いられて「ダイコン」になった。
全国各地でそれぞれの用途に対応して、改良がなされてきた。
おでん用、漬物用、おろし用、切り干し用などなど。
青首ダイコンは西日本、白首ダイコンは東日本だったそうだ。
ダイコン集会と言うフォーラムでは、全国各地の40種類が紹介された。
色も、形もいろいろだよ。
去年は、二つの失敗をした。
去年の秋は、体調不良で10月初めにやっと動けるようになった。
種まきどきが少し遅れているが、大急ぎで耕して種をまいた。
本当は、もっと丁寧に耕して土を細かく、軟らかくしておかないと
いけないが、時間がなかった。
一つ目の失敗
案の定、二股、三股のダイコンが多いし、形が悪い。
食べられないことはないが。
「ご近所におすそわけが出来ないよ」とおくさんがこぼす。
やっぱり、土を細かくしておけば良かったよ。
今年は、体調もまあまあ良いから、じっくりと土作りをしよう。
二つ目の失敗
ゆで干しダイコンつくりが失敗だった。
干し方が悪くて、カビが生えた、天候がそろわなかったせいもある。
このゆで干しダイコンは、普通の切り干しダイコンと違って煮物にすると
とてもおいしい。
煮物用だから少し厚切りにして、それから湯がいて干す。
だから、干しあがるのに時間がかかって、カビを生やした。
どんな大根を作るの
品種のことだね、これはもう10年前から絶対に決まっている。
「耐病青首総太り大根」というやつだよ。これ一本やりよ。
いつも作るダイコン
それ以前は、時無し大根とか白首なんとか大根を作ってみたが
イマイチだったよ。
その点、この総太りは、有機肥料でじっくり育てると、米のとぎ汁で
煮こぼす等の前準備がなくても、直接煮てすぐに軟らかくなるよ。
ダイコンサラダで生食しても、身がきめこまかくておいしい。
だから、うちはこれ一辺倒だよ。
発酵肥料、ボカシ
4~5年前、いやもう少し前、環境エコロジーとかで生ごみを発酵させて
畑の肥料にしていた。
EMと言う微生物群で生ごみを発酵させて畑に入れたよ。
もちろん、ダイコンつくりの肥料にも使った。
発酵の調子よく進んだ肥料は、すごくよく効いたよ。
なにしろ、1本7キロのダイコンができあがった。
生まれたての赤ちゃん2人分の重さだよ。おくさんの太ももより大きかった。
それでいて、食味も良く味も素晴らしかったよ。
翌年は、もっと大きいものをと欲張ったが、発酵のやり方が悪くて普通の
大きさに出来上がった。
やはり発酵での肥料つくりはむずかしいよ。
安定してよくできれば、素晴らしいものになるけどねえ。
万○酵素とかいうコマーシャルで、30キログラムの大根を抱えている
姿がある。
この酵素系の活性剤も、発酵で作られているようだよ。
近所の農家のベテラン氏は「確かによく効くが、なにしろお値段が高い
割に合わない」と言った。
種まきはどんなにするの
うちの種まきは9月下旬、しかしこう暑くなってくるともう少し
遅くてもよいだろう。
遅いほど朝夕が冷えて、虫たちの活動が鈍くなってくるよ。
しかし、ダイコンの出来上がりは遅くなってくるよ。これは当たり前。
はやく大根のオデン欲しい人は、コンビニのオデンで我慢する手があるよ。
コンビニのオデンが70円ぐらいになったようだよ。
これくらいだと、独身の人は気軽に買って帰ると思うが、おくさんは
「主婦の立場から考えると、もっと安い方がいい」と言っているよ。
おっと、少し横道だよ。種まきの話だ。
一か所に3~5粒、間引き菜が欲しい人は5粒だな。
この間引き菜の一夜漬けで、ホカホカのご飯を食べるのは、何とも言えない
美味しさだねえ、それに味噌汁がつけば何もいらないよ。
また、横道だ、もう横道には行かない、まっすぐだよ。
種まきと種まきの間隔は、30~40センチで2列作り、この真ん中の
空間に肥料を入れる。
これは、発芽後でいいよ。
種を蒔いたら防虫ネットをかける
すぐに水やりだ、ネットの外からでいいよ。
ダイコンの種は、2~3日で発芽する、発芽しなかったところには
余った種をすぐにまいておく。
発芽が2~3日遅れるが、これは大丈夫、発育競争に十分に間に合うよ。
あと、土の乾燥を見て水やりをする。
農家のベテラン氏は、「水はやらない、自然に任せるほうが丈夫に育つ」と
いうが、乾燥が続くと実が少し硬い大根になるような気がする。
「うちのダイコンは水気たっぷりで育っているよ」とおくさんに話すと
「水もしたたるいい大根ですね」ときた。
おっと、間引きの話が残っていた
2回に分けて間引く、一回目は10センチくらいで味噌汁の青味に
使えるくらいで2本か3本残しにする。
さらにもう一回、15~20センチで間引いて1本立にする。
この間引いたものが、一夜漬けの材料だよ。
ええっ、なぜ間引きをするのかって。
小さいうちから1本にすると、競争相手がいなくてゆっくり育つ。
間引きしたのこりが、触れ合うくらいにすると競争をして早く育つ。
間引きをしないと混み合って、全部がヒョロヒョロでダイコンにならない。
ここまでくると、あとはあまり手がかからない、ダイコンとダイコンの中央に
追肥をやることと、草が大きくなって草取りをすることぐらいかなあ。
収穫は腕の大きさぐらいから、必要とするとき引っこ抜く。当たり前か。
料理は、ダイコンのステーキとか、ダイコンのサラダとか、フロフキダイコンとか
オデンもいいなあ。
利用の仕方はいろいろある。
ナスとかキューリとかと並んで重宝する野菜だよ。
「二十日ダイコンもサラダにいいですね、植えませんか」と奥さんが言った。